生成AIがプロンプトどおりに作らない4つの原因と直し方|実際に試した失敗例
画像や動画の生成AIに英語のプロンプトを渡したのに、思っていたものと違う結果が出る。よくあることですが、原因が分からないと直しようがありません。この記事では、当サイトのテンプレートの見本を作ったときに実際に起きた失敗と、そこから分かった原因・直し方を紹介します。
試した環境:画像は Nano Banana 2、動画は Veo 3.1 Fast(4秒)。2026年9月に試した結果です。生成AIは更新で振る舞いが変わることがあります。
原因1:撮影用語が、別の意味に読まれる
映画のワンシーンのような映像を作ろうとして、カメラが横に移動する撮り方を指定しました。撮影の世界では、カメラごと横に動くことを「トラック(truck)」と呼ぶので、プロンプトには次のように書きました。
A city at night.
Camera: wide shot, truck right.
Lighting: dramatic lighting.
Style: cinematic.
Effects: rain streaks.
ところが、できあがった動画には本物のトラック(車)が映り、右へ走っていきました。AIは「truck」を撮影用語ではなく、ふつうの名詞として受け取ったのです。


直し方:動きを、ふつうの英語で説明する
撮影用語だけに頼らず、「カメラがどう動くか」をそのまま言葉にします。
Camera: wide shot, lateral tracking shot, camera moving sideways to the right.
「camera moving sideways(カメラが横に動く)」と主語を「カメラ」にしたことで、トラックは映らなくなりました。英単語には、撮影用語とふつうの意味の両方を持つものがあります。専門用語を使うときは、動きの説明を1つ添えるのが安全です。
原因2:構図の用語が、「描くもの」だと読まれる
富士山の風景写真で、主役を画面の3分の1の位置に置く「三分割構図」を指定しました。
Camera: rule of thirds composition, ultra-wide 16mm lens.
すると、3枚作ったうちの1枚で、画面に三分割の補助線(グリッド)がそのまま描き込まれました。カメラの画面に出る補助線まで、絵の一部として描いてしまったのです。


直し方:「どこに置くか」を書く
構図の名前ではなく、主役をどこに置くかを書きます。
Camera: subject placed off-center, balanced composition, ultra-wide 16mm lens.
毎回起きるわけではない失敗ほど、気づきにくいものです。生成した画像に、線や枠、文字のような余計なものが入っていたら、プロンプトの中の「撮影の道具や画面の用語」を疑ってみてください。
原因3:角度の指定が、弱く効く
カフェのパンケーキを、真上から撮った写真にしようとしました。
Camera: top-down view, bird's eye view.
3回作って、3回ともななめ上から写した写真になりました。料理写真はななめ上から撮るものが多いため、AIがそちらに引っぱられたと考えられます。
言い方を変えると、少しよくなりました。
Camera: overhead shot, camera pointing straight down from directly above.


それでも、完全な真上にはなりませんでした。角度の指定は、よくある撮り方に引っぱられやすい項目です。
直し方
- 「カメラが真下を向いている」のように、カメラの向きを言葉で説明する。
- 料理や小物なら、「flat lay(物を並べて真上から撮る写真)」という、真上から撮るのが当たり前の写真の種類で指定する。
- 何度作っても同じ角度になるときは、AIの得意・不得意と割り切って、別の角度で良さが出る構図に切り替える。
原因4:生成サービスが、プロンプトを自動で書き換える
いちばん気づきにくいのがこれです。動画の生成サービスの中には、入力したプロンプトを、生成の前に自動で長く書き直す機能を持つものがあります。「プロンプト強化」「エンハンス(Enhance)」などと呼ばれ、初めからオンになっていることがあります。
今回使ったサービスでもこの機能がオンになっていて、次のようなことが起きました。
- ネオン街を歩く女性の動画に、指定していない英語のセリフが足され、女性がしゃべり出した。
- 窓辺でコーヒーを飲む女性の動画にも、同じように英語のセリフが足された。
書き直しの結果は、毎回同じとは限りません。原因1の「truck right」で試したときは、1回目の書き直しで「トラックに載せたカメラ」と解釈されて、画面の端に車のミラーが映り込みました。2回目は「撮影用の台車(truck dolly)」と補われて、うまくいきました。書き直しがオンのままだと、プロンプトの問題なのか、書き直しの問題なのかが見分けられません。書き直しをオフにして初めて、プロンプトそのものの問題に気づけました。
直し方
- 生成画面に「エンハンス」「プロンプト強化」などの切り替えがないか探し、自分のプロンプトを試すときはオフにする。
- 結果の詳細画面で、実際に使われたプロンプトを確認できるサービスもあります。思わぬ結果が出たら、まずそこを見てみましょう。
うまくいかないときのチェックリスト
- 撮影用語や専門用語に、別の意味がないか?(truck など)→ 動きをふつうの英語で添える。
- 画面や道具の用語を、AIが「描くもの」と受け取っていないか?(補助線、枠、文字が入る)→ 「どこに置くか」「どう見えるか」で書く。
- よくある撮り方に引っぱられていないか?(真上から、など)→ カメラの向きを言葉で説明するか、写真の種類で指定する。
- 生成サービスが、プロンプトを書き換えていないか?→ 自動補強の設定を確認する。
- 一度に何か所も変えていないか?→ 直すのは1か所ずつにする。どれが効いたのか分かるようにするためです。
ツールは、この失敗をふまえて直しています
AIプロンプトビルダーでは、ここで紹介した「横に移動」「三分割構図」「真上から」の英語を、すでに直した言い回しで出力するようにしています。日本語のボタンを選ぶだけで、誤解されにくい英語のプロンプトを組み立てられます。
各テンプレートのページでは、実際にそのプロンプトで生成した見本も見られます。
この記事の画像はすべて、AIで生成したものです。